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ユリ科~カタクリ

まだ他の植物が動き出す前に葉を広げ花を下向きに咲かせ種を付けて、4~5週間の短い地上での命を終えます。「あ、カタクリ」,早春の晴れた日に見つけた人が思わず口に出す言葉です。人気の山野草です。スプリング・エフェメラルと呼ばれる儚い春の妖精です。

カタクリの特徴

カタクリ

ユリ科カタクリ属の多年草です。海外では北東アジア、日本の北海道から九州までの落葉広葉樹の林床に自生します。別名カタコ(片子)カタタゴ(堅香子)。

3月の初め、葉が出始めました。

カタクリの葉

草丈10~20cm。鱗茎は長さ5~6cmの筒状で地中深くにあります。幅2~6cm、長さ6~12cmの長楕円形の葉を2枚付けます。厚みがあり柔らかく暗紫色の斑紋があります。

カタクリの蕾

3月中旬蕾が立ち上がってきました。生息地によっては開花が6月というところもあります。

カタクリ

地上に出てから10日ほどで薄紫色、ピンク色の花を下向きに1個付けます。花茎は10~15cm、6枚の花被片、雌しべは1本、雄しべは6本。

カタクリ

最初雌しべは短く雄しべに囲まれています。雄しべは内側の3本が短く外側の3本が長く暗紫色の葯が縦に割れて黄色い花粉が出ています。薄紫、濃い紫色、黄色の取り合わせが優美です。

カタクリの花

雌しべが雄しべより長くなりました。柱頭は3裂しています。カタクリは虫媒花で自家受粉をしません。早春の植物は少ない昆虫を呼び寄せるためにいろいろな戦略を持っています。花被片は反り返り基部にW字型の斑紋があり蜜標になっています。蜜標(ネクターサイン)部分は紫外線に反応する物質を含んでいて虫達を集めます。花は晴れた日に花を開き光のない時は閉じています。ハナバチや蝶が吸密に訪れて花粉を運びます。

果実

カタクリ

柱頭を残した若い果実です。

カタクリの果実

蒴果、3稜があります。

カタクリの種子

果皮は白くなって3つに割れて褐色の種子が散布されます。種子は4mm、種子の先端にはやや色の薄い2mmの付属物があります。

アリ散布植物

この付属物にはアリの大好きなエライオソームを含みアリは種子を巣に持ち帰りエライオソームを食べた後巣の外に捨てられます。結果的に種子を遠くに散布されることになります。しかしアリの種類によってはその場で食べて巣に持ち帰らなかったり巣に持ち帰っても大事な胚珠まで食べてしまったりということもあるそうです。

発芽したカタクリは

カタクリの葉

発芽してから1年目は細い葉を1枚、2年目以降は楕円形の葉を1枚、7年ほどは1枚の葉だけの姿で鱗茎の養分を蓄えていきます。鱗茎は分球せず毎年更新されますが古い鱗茎の下に新しい鱗茎を付けていくので地中深くなっていきます。やっと8年ほどで2枚の葉を付け花を咲かせます。しばらくは種を付ける年と付けない年を繰り返します。

自然教育園の武蔵野植物園で池田山公園では池の北側で3月に見られます。

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