小さくてピカピカした単に「テントウムシ」と呼ばれるのが「ナミテントウ」です。このテントウムシはいろいろな模様を持っています。
ナミテントウ
- 甲虫目カブトムシ亜目テントウムシ科
- アジアに広く分布
- 体長 5~8mm
- 出現期 3~11月
- 食べ物 成虫、幼虫ともアブラムシ
- 完全変態
- 越冬 成虫
斑紋の種類
- 2紋型 黒地に中央についに2紋の赤や黄色の紋がある
- 4紋型 黒地に前後に2個の合計4個の赤や黄色の紋がある
- 班型 黒地に1-2-2-1に赤い紋がある
- 紅型 黄色や赤色の地に2ー3ー3ー1の黒い紋がある
- 変形 斑紋がないもの、一部消失や融合した紋を持つもの
斑紋が違う種でも交尾するので変異がたくさんあります。
2紋型
黒地に赤い大きな紋が2つある2紋型、西日本では一番多いタイプです。
黒地に黄紋が2個の2紋型
4紋型
班型
紅型
赤色の地に2ー3ー3ー1の黒い紋
黄色の地に2ー3ー3ー1の黒い紋
斑紋が一部消失
テントウムシの一生
成虫は2週間ほどで産卵が可能になり長さ1mmの20~40個の卵を産みます。
イヌコリヤナギの幹で交尾している2紋型(黒地赤2紋)の雄と紅型変形の雌に出会いました。どんな模様のナミテントウになるのでしょうか
幼虫
卵は3日ほどで孵化、1齢幼虫から4齢幼虫(終齢幼虫)までの幼虫の期間は2~3週間です。
幼虫の紋斑紋の変化は
1齢幼虫ー黒色で無紋
2齢幼虫ー第1側にオレンジ色の斑紋
3齢幼虫-第1~5腹節にオレンジ色の斑紋
終齢幼虫ー第1~5腹節と第1、4,5節背面中央の棘にオレンジ色の斑紋
モモの葉裏、卵から孵化していました。
庭のモモにはアブラムシを狙ってテントウムシとヒラタアブの幼虫が活躍しています。アブラムシを食べるとオレンジ色に着色するそうです。
腹部の背中中央の突起は先端が3本に分かれています。
蛹
蛹の期間は6~8日。終齢幼虫の背中にあった刺が残っています。
羽化
羽化したばかりの時は黄色一色です。まだ模様が薄い状態です。
2時間後ずいぶん模様がはっきりしてきました。そしていなくなりました。
成虫の活動期は3~11月、真夏は葉の下などで夏眠します。晩秋になると越冬の準備、数日間明るい陽射したっぷりのところに集まるんだそうです。その後、木や石の隙間、落ち葉の下、戸袋など暗い所に移動して成虫の状態で越冬します。
幼虫も成虫も沢山アブラムシを食べてくれます。どのくらい食べるかというと1日に幼虫は20匹、成虫は100匹、頼もしい限りです。砂糖水だけ舐めれば生きてはいけますが、アブラムシを食べなければ卵は産めません。卵から成虫になるまで約1カ月。1年に何度も世代を繰り返します。
テントウムシの体液にはアルカロイドが含まれていて野鳥は大嫌いなので食べません。それで、テントウムシに擬態しているテントウムシダマシなどがいます。
飛翔
テントウムシは高い飛翔能力を備えています。硬い前側のさや羽と飛翔のための柔らかい膜状の後羽があります。高い飛翔能力を持ちながら瞬時に広げ、コンパクトに引き込むように折りたたまれる羽の仕組みは素晴らしい。