ゴソゴソと音がしたら・・夢中で地面を突っつくキジバトでした。かつては狩猟の対象だったキジバトも今や身近な愛らしい存在に、メーテルリンクの青い鳥のモデルはキジバトだそうです。
キジバト
- ハト目ハト科キジバト属
- 分布 ユーラシア大陸東部、日本
- 北海道、本州北部は夏鳥、以西は留鳥
- 全長 33cm 開帳 55cm
- 雌雄同色
- 餌 林床、草地、畑地などで種子、昆虫、貝、ミミズ、樹上の果実など
- 名の由来 キジの雌と体色が似ることから
- 別名 ヤマバト かつては山岳部に生息。1970年代から都市部に進出
ドバトより一回り体が小さく、体に比して頭部が小さい。体色は茶褐色から紫灰色の褐色、頭頂部は青灰色、背にかけて褐色、脇から下尾筒にかけて薄青灰色など複雑なグラデーションです。背と翼は青灰色と赤褐色の色の移り変わりが美しいうろこ模様です。頸部側面には濃青色と白色の縞模様があります。幼鳥はこの縞模様が薄いことで見分けられます。尾の先端は白色。目の周りは赤く、嘴は小さく上嘴の瘤状のふくらみも発達していません。多くの鳥たちは含んだ水を上を向いてゴクンですが、キジバトは下を向いたままごくごくと飲むことが出来ます。
繁殖とピジョンミルク
他の野鳥は成鳥が植物食でも雛の餌は昆虫などのたんぱく質源ですから、多くが春から夏にかけて子育てをしますが、キジバト、ハト、アオバト、フラミンゴなどハト類は、種子を体内でミルク状にしたピジョンミルクで子育てが出来るので、年に複数回の繁殖が可能になります。
カラス、猫、ヘビなどの捕食者に見つかればあきらめるしかないので、どこに巣を作るかがとても重要です。その候補場所を雄が探し、雌が気に入れば、雄がせっせと小枝や樹皮、時には針金などの巣材を運び、雌が組み立てて、樹上に皿状の下から透けるような荒い巣を作ります。すんなりとはいかないようで、何か所か作って選ぶそうです。少し巣材を足して、かなりの頻度で古い巣も利用します。他の鳥が使ったものや他の種の鳥の古巣まで利用することもあるらしく、年に複数回の営巣となれば簡単に済ませたいのでしょう。卵は2個、夜間は雌が、昼間は雄が抱卵します。期間は15,6日。孵化後15日ほどで巣立ちます。
ピジョンミルクは、食道の一部の2つの素嚢で生成します。雄も雌も作れます。哺乳類のミルクより脂肪やたんぱく質が多く、糖質を含みません。