キクイモモドキ(ヘリオプシス)が沢山花を付けました。
キクイモモドキの特徴
キク科キクイモモドキ属(ヘリオプシス属)の多年草、北アメリカ原産です。ヘリオプシスは「太陽+似た」という意味でこの名前でも流通しています。太陽は、向日葵の意味です。別名ヒメヒマワリ(ヒメ向日葵)、日本には明治時代中期に観賞用として渡来しました。高温多湿にも強く茎もしっかりしていて花持ちもよく、病気もなく育てやすい花です。花の少ない時期に貴重な切り花として重宝します。
葉
葉は対生、長さ5~15cmで卵形から楕円形で先が尖り基部は葉柄に流れ狭い翼を付けます。鋸歯があり表面には短い剛毛がありざらつきます。冬には地上部は枯れ、キクイモモドキというだけあって塊根を作りません。
花
花期は7~10月。花径は5~6cm、舌状花は8~15枚。外側から開いていきます。雄性先熟です。筒の中で葯壁が破れて花粉が出ると花柱が伸びてきて花粉を押し出します。柱頭には上向きの毛が生えていてこれを助けます(雄性期)。花粉を出し終えると更に花柱が伸びて筒から出て先端が2裂して花粉を受け入れられるようになります(雌性期)。
キクイモとキクイモモドキの違い
キクイモ
- 属:ヒマワリ属
- 草丈:2m以上
- 葉の特徴:下部の葉は卵型、上部は細長い
- 葉のつき方:対生、上部は互生
- 花床:半錐形
- 花期:9月10月
- 根:ショウガのような塊根あり
キクイモモドキ
- 属:キクイモモドキ属
- 草丈:1m
- 葉の特徴:卵型、鋸歯あり、薄くガサガサしている
- 葉の付き方:対生
- 花:舌状花がこんもりと盛り上がっている。花が散らずに長く残る
- 花床:円錐形
- 花期:6月~10月
- 根:塊根なし
キクイモの効能
キクイモは北アメリカ原産でインディアンのトビナンブ族の食糧でした。江戸時代中期に飼料用植物としてやってきました。塊根部分はショウガのような形で「豚芋」と呼ばれ、第二次大戦後の食糧難には代用食になりました。
生命力の強い植物で、今、その効能が注目されています。デンプンを含まずビタミン類ミネラル類も多く含み、天然のインシュリンとば呼ばれています。「イヌリン」という多糖体は、キク科に多く含まれるますが、最も多く含むのが、キクイモです。イヌリンは血糖値をあげない、糖質や脂肪の吸収を妨げる、腸の通りをよくするなど、健康効果が注目されています。サプリメントやお茶もあるそうです。
岐阜県では粕漬けや味噌漬けが名物です。