クサギカメムシがモモの汁を吸いにやってきました。今年はカメムシやカナブンなどが沢山やってきてモモの被害が甚大です。ちょっと憎たらしくなります。
クサギカメムシ
- カメムシ目カメムシ科
- 分布 東アジア、本州、九州
- 大きさ 13~18mm
黄褐色の紋を持ち、体色は暗褐色から赤褐色で個体によって様々です。前翅は膜質部を除いて褐色です。頭部は先端が広く丸く、触角は褐色で関節部分が白色です。
生態
- 越冬 成虫 10月~ 木材や樹皮の間、石の下、室内などで
- 4月、付近の樹木に飛来して交尾
- 5~6月産卵、1週間ほどで幼虫に
- 8月、成虫に
- 卵→幼虫→成虫の不完全変態
クサギカメムシの卵には蓋のようなものがあって、縁を割って出てきます。その振動が周囲の卵に伝わることで、一斉に孵化するそうです。共食いを避ける為でしょうか。初齢幼虫は卵塊の上やその付近で見終して過ごします。初齢幼虫はオレンジ色と黒色の派手な色彩です。2齢幼虫も脱皮直後は全身が赤いのですが、やがて黒色の地味な色になります。そして次第に分散していきます。
被害
寒い地方などでは大量に室内に入ってきて隙間にもぐりこむことがあります。刺激を受けると悪臭を放ちます。カメムシの臭さはホンとにいや。
クサギ、クワ、マツ、スギ、イチイ、サクラ、キリなどで繁殖します。様々な植物に針を刺し汁を吸い、成虫は果樹や豆類にも飛来し、被害を与えます。サクランボ、ウメ、ナシ、モモ、ビワ、リンゴ、オウトウ、カキ、ブドウ、ミカン。奇形葉や、未熟果では落果やでこぼこの奇形果になり、成熟果では吸われたところがスポンジ状になり固くなったり腐りやすくなります。
我が家のモモには「チャバネアオカメムシ」「クサギカメムシ」「カナブン」などがやってきました。果樹園の被害は人工林の増加との関係が言われています。こちらもご覧ください。
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クサギカメムシの由来、クサギ
クサギによくいるからクサギカメムシと呼びます。
クサギはシソ科の4~8mになる落葉小高木。葉は8~15cmと大型で広卵形、薄く柔らかく触れると臭いにおいを放ちます。名前はここから付きました。8月~9月に蕚から長く突き出して平らに5裂した白色の広線形の花をたくさんつけます。雌しべや雄しべ4本はさらに突き出して付きます。蕚は5裂し緑色から花後に星形に開き赤紫色に変わります。
10月果実は熟して直径6mm程の球形の光沢のある紺色になります。表面には網目状の模様があります。
蕚は鉄媒染で灰色に、果実は鮮やかな空色に染まります。若葉は山菜として食べられます。
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