薄暗い場所に群生し、青色と橙色の斑紋のある淡青色の花は華やかですが、自由奔放に増えて倒れて整列させるのが大変。
シャガの特徴
アヤメ科アヤメ属の多年草です。アヤメ科にしては珍しい常緑種です。中国原産の史前帰化植物ですが、なぜか学名がアイリス・ジャポニカ。射干は中国ではヒオウギのこと。別名、著莪、胡蝶花、英名は鶏冠のあるアイリス、フリンジのついたアイリスの意味です。
葉
草丈30~70cm。根茎は細く長く匍匐し先端に芽を付けて増えていきます。葉は根生、傾いて伸び扁平に互生に重なります。幅2~3cm、長さ30~60cmの剣形で厚みがあり光沢があります。
花
花期は4~5月。花茎は直立し上部で分岐し、広披針形の苞から1~2cmの短い花茎を出し先に4~5cmの淡青紫色の花を付けます。一日花ですが次々と花を付けます。外花被片は3枚、広楕円形で中央部に鶏冠状の突起がありその周辺に橙色の斑紋、その外側に青色の斑紋があります。突起部分には毛が見えます。縁は波打ち細かく切れ込みます。内花被片は3枚、外花被片より細長く楕円形、緩やかに波打ち縁は細かい鋸歯、先端は2浅裂します。
花柱は花弁状に3裂し淡青色を帯びた白色、柱頭は先端が2裂した付属体が付きます。雄しべは3本、分裂した花柱の裏側にくっつくようにあり、葯は白色。
花被片の裏側は淡緑色の縦筋が入ります。
花後の様子です。
三倍体
普通植物は二倍体で染色体が2組あり種子を付けますがシャガは三倍体で不稔性で種子を付けません。クローンで染色体は同じです。ヒガンバナやセイヨウタンポポ、種なし果物などがそうで無性生殖をします。四倍体と二倍体の交配からできました。中国には二倍体のシャガがあり種子を付けます。
育て方
丈夫で放任できます。耐寒性、耐陰性もあり目立った病害虫もありません。植え付けは4~6月、9~10月、根茎は浅植えにします。葉が斜めになるのでまとまりにくく、株分けで増やしますが、根茎を長く伸ばしてあちこちに芽を出しますから整理をしないとまとまりのない状態になります。種子はつけないので花がらを取る必要はありませんが見苦しいようなら取りましょう。また常緑ですが葉が枯れたり黄変した葉は取り除きます。