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キュウリの昔話とある疑惑

インド・ヒマラヤ山麓に生まれローマや中国を経て、平安時代に栽培されていたキュウリ。紀元前30年ごろ、ローマ皇帝カエサルはキュウリが大好物で、冬は温室栽培までして、毎日食べていたとか。どんなキュウリだったのでしょう。

品種改良と疑惑

しかし、日本ではさんざんな評判で貝原益軒はこういっています。「これ瓜類の下品なり。味よからず かつ小毒あり」水戸様は「毒多くして能無し、植えるべからず、食べるべからず」と散々です。

今、私たちがが食べているのは、未成熟果です。かつて日本で食べられていたのは成熟したもので、字のごとく黄瓜。苦みと酸味が強くまずかったようですね。その頃はマクワウリがよく食べられていてレシピもたくさん残っています。

人気者に変身

幕末のころには、品種改良がおこなわれて苦みが抑えられ、促成栽培で青いうちに出したところ、歯ごたえがあってよいと評判になったとか。栽培日数も短いキュウリが人気になったそうです。産地は江東区砂村辺り、江戸から栄養となるものを運べたからだそうです。

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ビタミン破壊疑惑

アスコルビナーゼがほかの食材のビタミンCを壊すといわれていましたが、還元型から酸化型に変わるだけで吸収されることには変わりないことが分かったそうです。ちなみにこの酵素は人参、かぼちゃ、バナナりんごにも含まれています。酢を使ったり、熱を加えれば酵素の働きが弱まります。疑惑解消です。

世界一栄養価のない果実疑惑

1980年代に、世界一栄養価のない果物としてキュウリがにギネス登録されるということがありました。キュウリはその90パーセントが水分。昔から暑いところでは水分補給に使われていたそうです。

今ではキュウリの効能は沢山あげられるようになりました。

  • ホスホリパーゼ 脂肪分解酵素 ダイエットに有効
  • カリウム 余分なナトリウムの排泄を促すのでむくみ解消
  • ククルビタシン 胃液唾液の分泌を促す
  • ルチン 毛細血管を丈夫にする アルコール分解を促して二日酔いの防止
  • ピラジン 血栓予防
  • ビタミンC 皮膚の老化を防ぐ
  • ビタミンA 活性酸素の抑制 がんの予防 皮膚や粘膜や網膜を丈夫にして免疫力の強化
  • 食物繊維 腸内環境の改善

カロリーも少なくてダイエットに最適、疑惑解消です。

季節のものはその時に一番体がほしがっているもの、ありがたく頂きます。

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