モンシロチョウのいる風景といえば、菜の花畑に、ひらひらと飛ぶ白い蝶。優しく、懐かしい気持ちにさせてくれます。
モンシロチョウ
- チョウ目シロチョウ科シロチョウ亜科
- 分布 北海道、本州、四国、九州
- 前翅長 20~30mm
- 出現期 3~10月 年4~5化
- 幼虫の食草 アブラナ科の葉
- 成虫の食べ物 花の蜜
- 完全変態
- 越冬 蛹
成虫
翅は白色、前翅の前縁が灰黒色、前翅の中央に灰黒色の紋があります。春に見られる成虫より夏の成虫は、大型で、黒い部分が広くなります。
雌は前翅の黒い部分が大きく前翅付け根が灰色に。
雌の翅は紫外線を反射して雄は吸収するそうで、人間の眼には見えない紫外線、チョウの眼には雌の翅は白く輝いて、雄はくすんで見えるそうです。
生態
アブラナ科の植物の葉に1個ずつ、分散して産み付けます。卵は淡黄色、長さ1mmほどの円柱状です。卵の期間は3~5日、孵化した幼虫は黄色で短い毛が生えた毛虫状、まず、たんぱく質が豊富な卵の殻を食べます。葉を食べ始めた幼虫は緑色になり、2週間で4回ほどの脱皮を繰り返し、4cmほどになります。糸の塊を吐き、まず頭部を上に尾部をくっ付けて、反り返って糸の帯を吐き胸部を固定し、脱皮をして、蛹になります。蛹は場所や季節によって、緑や褐色になります。羽化は朝、頭部と胸部の境で割れて出てきます。縮んだ翅に体液を送り込んで伸ばします。交尾と産卵をして成虫の命は2週間ほど。
アブラナ科の植物は葉を傷つけられると阻害成分を出します。これは殆どの昆虫にとって毒となりますが、モンシロチョウの幼虫はこれを解毒できることで、食料の確保が有利に。人間も大好きなアブラナ科の植物の栽培と共に大食漢のモンシロチョウは、南アメリカを除く世界中にその生息地を広めました。
そんなモンシロチョウにとって捕食者も天敵ですが、一番の天敵はアオムシコマユバチです。葉の出す阻害成分をかぎつけてモンシロチョウの幼虫を見つけ出して、幼虫80個ほどの卵を植え付けます。体を食べて、蛹になる前に腹を破って出てきて繭を作ります。かなりの確率で寄生されてしまうそうです。自然界は厳しい。