紫色の花と黄色い葯の色の取り合わせは神秘的で名のごとく露が似合う花です。
ムラサキツユクサの特徴
ツユクサ科ムラサキツユクサ属(トラディスカンティア属)の多年草、北米原産で明治時代に渡来しました。林縁など日当たりの良い場所に自生しています。別名、インクバナ、コモンスパイダーウォート、ホタルグサ(蛍草)。ムラサキツユクサとオオムラサキツユクサを掛け合わした園芸品種トラディスカティア・アンダーソニアが流通しています。花色が豊富で濃青色、青紫色、ピンク、白色、複色、八重咲もあります。
葉
草丈15~100cm。茎は直立するものと横に広がり斜上するものがあります。葉は互生、螺旋状に並び無柄、幅5~45mm、長さ5~45cmの線形、線状披針形で先端が尖ります。
花
花期は6~9月。2枚の葉状の苞が花序を包ます。萼は長さ4~15mmで粉白色、無毛または先に毛束があります。やや紫がかった薄緑色の花柄にも花弁の裏面にもうっすらと毛があります。花径3cm。
1~3cmの花柄があり花が開くときには花柄が上に伸び、花が終わると垂れ下がります。先端の花から開花していきます。花は1日花です。雨や曇りの日には夕方まで咲いていますが、晴れた日には昼頃には萎んでしまいます。
花弁は広卵形で3枚、雌しべは1本、雄しべは6本、花糸の基部には長い毛があり葯は黄色で先端は2裂。雄しべの毛は1列に細胞が並ぶ短列細胞で基部は円筒形、先端は球形で細胞学の研究材料として使われます。
果実
蒴果で長さ4~6mm、種子は2個、長さ2~3mmで網目状の皴があります。
似た花オオムラサキツユクサはムラサキツユクサよりも草丈が低く5~35cm、萼が毛に覆われています。
育て方
葉が大きく長くて乱れがちで地植えに向きます。丈夫で手間もかからず、特に注意する病害虫もありません。込み合ってきたら茎葉を間引きます。夏の花が終わったら葉が乱れてくるので地際で刈込み脇芽を出させるとまた秋に楽しむことができます。日当たりが悪いと葉が間延びして花付きが悪くなります。冬には地上部が枯れて根の状態で冬を越します。耐寒性は強いので霜よけ等は必要はありません。株分けで増やします。
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