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ツルボラン科~ノカンゾウとヤブカンゾウにモンキアゲハ

万葉集では愁いを忘れさせてくれる忘れ草の名で詠まれています。ノカンゾウが明るい緑色の葉に橙赤色の色鮮やかな花を沢山つけ賑やか、少し遅れて一回り大きな八重咲のヤブカンゾウが花を付けます。ノカンゾウの花に頭を突っ込んで夢中になって蜜を吸っているモンキアゲハを沢山目にしました。黒くて大きくて黄色い紋が目立つ立派な揚羽です。

特徴

ノカンゾウ

ノカンゾウ

ツルボラン科ワスレグサ属の多年草です。ユリ科から分割されてススキノ科になり、更にツルボラン科に変更されました。学名はヘメロカリス、ギリシャ語で一日+美の意味です。
ノカンゾウ(野萱草)は本州から九州、朝鮮半島の土手、川辺、湿った草原などに自生する在来種で、自然教育園では水生植物園に見られます。
ヤブカンゾウは中国からの有史前帰化植物と言われ北海道から九州の林縁や草地に分布します。中国に自生する一重咲きのカンゾウの変種の八重咲き種とか。

ヤブカンゾウ

雨に濡れるヤブカンゾウ

春先の新芽は灰汁が少なく甘みがあり白い部分の独特のぬめりが美味、生でも、茹でてお浸し、和え物、また油との相性も良くて揚げても、スープでもよし。蕾を乾燥させたものは金針菜と呼ばる中華食材です。花はエディブルフラワーとして利用されます。

ヤブカンゾウの幼葉

幼葉の頃は区別がつきません。

ノカンゾウ

ノカンゾウ

草丈50~80cm。根は一部が紡錘形に膨らみ分かれて増えます。根生葉は葉幅1~1.5cm、長さ50~70cm、主脈は凹み途中から垂れます。

ヤブカンゾウ

ヤブカンゾウの葉

ヤブカンゾウ

草丈、80~100cm。根は淡黄褐色の紐状、末端は紡錘形に膨らみライナーを出して増えます。葉は幅2.5~4cm、長さ40~60cmの広線形でとノカンゾウより幅が広く柔らかく葉が垂れやすい。

ノカンゾウ

ノカンゾウの花

花期は6~8月。花茎の先端が2つに分岐し10個ほどの花を付け下から次々と花を咲かせます。1日花です。花色は橙赤色、茶褐色、赤色の濃いものはベニカンゾウと呼ばれます。

ノカンゾウ

花被片の中央に淡黄色の縦筋が入ります。花筒部分3~4cm。

ノカンゾウ

花径7cm、花被片は6枚、内花被片がやや長く幅も広く縁が波打ち先がやや反り返ります。

ノカンゾウ

雌しべは雄しべより長く先端は切形、雄しべは6本、花被片より短く黒褐色の葯が破れて黄色い花粉が溢れています。

ヤブカンゾウ

ヤブカンゾウの花

花期7~8月。花径8cmとノカンゾウより大きく花筒は2cmとノカンゾウより短い。花色は橙赤色。雌しべ雄しべが弁化して八重咲に、雄しべも一部残ります。

ヤブカンゾウ

果実

ノカンゾウの果実

ノカンゾウの果実は2~2.5cmの蒴果です。結実は稀ということですが、あちこちで見かけます。種子はピカピカ光る黒色。ヤブカンゾウは3倍体で果実はできません。

モンキアゲハ(紋黄揚羽)

モンキアゲハ

ノカンゾウの花に頭を突っ込んだモンキアゲハです。和名の通り黄色い大きな紋がある大きなアゲハは目立つ翅をひらひらさせながらノカンゾウの花に渡り歩いて蜜を吸っていました。開帳11~14cmの日本最大級の蝶です。インド、ヒマラヤ、東南アジア、中国、台湾、日本関東以西に分布するアゲハチョウ科の南方系の蝶です。

モンキアゲハ

こんなにダイブした蝶は初めて見ました。
成虫の出現は4~10月、2(南国では3)回発生します。春型は5~6月、夏型は7~8月で夏型の方が大型です。産卵はミカン科の葉に、幼虫の食卓になります。1~4齢幼虫は糞に似ていて5齢幼虫では緑色の芋虫になります。越冬は蛹で、蛹は緑型と褐色型があり120度のくの字に曲がっています。

モンキアゲハ

地色は黒色、後翅に尾状の突起、黄白色の大きな紋があります。羽化したばかりには白色でだんだん黄色を帯びてきます。黄白色の紋の周辺に三日月形の赤い斑紋が並びます。

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