毒のある植物 植物の構造 育て方

キキョウ科~イソトマ・アクシラリス

ぎざぎざの葉に星形の沢山の花を涼やかに付けてくれます。縞模様の雄しべと黄色い斑紋がいいアクセントになっています。

イソトマ・アクシラリスの特徴

イソトマ・アクシラリス

オーストラリア原産のキキョウ科イソトマ属の多年草です。一般的にイソトマと呼ばれるのはこの品種です。別名は旧属名のローレンティア。イソトマの名はギリシャ語で「等しい分割」の意味、アクシラリスは「葉腋に付く」の意味です。

イソトマ・アクシラリス

草丈20~45cm。葉は互生、葉柄は無く2~12cmの長楕円形で不規則に羽状に裂けます。

イソトマ・アクシラリスの葉

茎、葉を切ると白い液体がでます。アルカロイドを含み有毒です。

イソトマ・アクシラリス

花期は3~10月。花色は白色、ピンク、紫、青。青色はイントマブルーと呼ばれます。

イソトマ・アクシラリスの蕾

縞々の雄しべが覗いています。

イソトマ・アクシラリス

花径3~4cmの漏斗形の花を葉腋に単生します。基部は筒状で先端が深く5裂し下部の3裂片の方が幅が広くなっています。下部の3裂片の基部には黄色、白、帯緑色の斑紋があります。

雄性先熟

イソトマ・アクシラリス

中央に見えるストライプ模様の部分は雄しべが融合して筒状になったものです。葯は内側にあって下向き、雌しべが下から伸びてきて先に熟した花粉を押し上げます。下部の雄しべは短く剛毛と毛束があります。上部の葯がわずかに長くなっていて先端が下向きに曲がって下がります。黄色い部分は蜜を示すマーカー、奥の蜜を吸いに来た昆虫は下向きの雄しべの毛に触れると筒の先端が開いて頭や背中に花粉を付けます。

イソトマ・アクシラリス

雌しべが更に伸びて頭を出し、先端が2裂して受粉の準備ができ花粉を待ちます。

果実

イソトマ

若い果実です。

イソトマの果実

1~1.5cmの円筒形の蒴果で頂部が裂開し、多数の小さな種子が散布されます。

育て方

株はこんもりとよく茂り横にも広がるのでハンギングバスケットや花壇の縁を隠すように植えると見ごたえがあります。日当たりがよくやや乾燥した場所を好みます。鉢植えの場合は梅雨時には雨を避けて軒下などに、真夏は西日を避け風通しの良い場所に移します。水やりは株もとに。蒸れに弱いので梅雨時期には切り戻して風通しを良くします。秋にまた花を楽しむことができます。種を採らないときには花が終われば花茎ごと切り取ります。耐寒性は5℃とやや弱く2年目の株は花付きも悪いので1年草として扱われれます。梅雨時に切り戻した枝先で挿し芽ができます。種蒔きは4月の中旬から下旬にかけて。種は小さく発芽には光が必要なので覆土は薄く、発芽温度は15~20℃です。病害虫は特にありません。茎は葉を切ると白い液が出てかぶれることがありますから注意が必要です。

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