蔓が伸びて絡まりぐちゃぐちゃ、下向きに付く花は地味ですが、光沢のある葉と赤い実は美しく目を引きます。
サネカズラ
中国南部、台湾、日本では関東以西に自生する在来種、マツブサ科サネカズラ属のつる性常緑低木です。別名、樹液を整髪料に用いていた事からビナンカズラ(美男葛)、実(さな)が目立つ葛という意味でサナカズラ。サナカズラ転じてサネカズラになりました。
茎・葉
茎は若いうちは赤紫色で粘液を含みます。太くなるとコルク質が発達し、直径2cmのごつごつしたの灰褐色の茎になります。直立していた茎は夏になると辿れなくなるほどに右から左に絡まりあっていきます。
葉は互生、濃緑色で無毛、光沢のある革質です。長さ5~12cmの長楕円形から長卵形で浅く疎らに鋸歯があります。
花
花期は7~8月。雌雄異株、時に雌雄同株です。約2cmの花柄の先端に1~2cmの釣鐘型の花を下向きに付けます。雄花の方が雌花より少し大きい。
雄花
花被片は8~15枚、淡黄色の花弁状です。雄花は球形になり葯は白色、赤い部分は葯隔です。葯は2個の半葯からなり2個を繋ぐ部分が葯隔でこの部分が広いのがサネカズラの特徴です。
雌花
花被片は淡黄色、淡緑色の球形の集合体で丸みのある子房の側面から白い花柱が突き出しています。
果実
花被片が落ちて枯れた花柱が残るまだ角張った若い果実です。
11月頃、果柄が伸びて7cmほどになり花床が球形に肥大し艶のある赤い集合果になります。単果は1cmの液果で淡褐色の腎形の種子が2~3個入っています。
果実が落ちて花床が残っています。