大きな株になる強靭なチカラシバは、ブラシのような暗紫色の毛がつんつん立ってて印象的です。光を浴びると美しい。
チカラシバ
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- イネ科チカラシバ属の多年草
- 分布 日本(北海道南部、本州、四国、九州、沖縄)中国、朝鮮半島、東南アジア、インド
- 在来種
- 草丈 50~80cm
- 花期 8~11月
- 果期 11~12月
- 別名 ミチシバ
葉
葉は根元から幅4~7mm、長さ40~60cmの線形で硬くざらつきます。
葉舌は短い毛状、葉鞘は扁平で上端には長い毛があります。
花
花茎は分岐せず、真っ直ぐに立ち、径4~5cm、長さ10~20cmの穂状花序を付けます。風媒花です。小穂は倒卵形、第1小花は護頴のみ、第2小花が結実します。小穂の基部には暗紫色の長い総苞毛(毛状の総苞片)が目立ちます。長さ2cm、上向きの小さな刺があります。
雌性先熟です。雌性期には小穂の先端からモールのような雌しべの2裂した柱頭が出ます。上部の花は、両性花で雌しべと雄しべがあり結実しますが、下部の小花は、雌しべが退化し、雄しべのみで結実しません。
雄性期の様子です。雄しべが3個ぶら下がっています。白い細い花糸に先端が2つに割れた茶褐色の葯が付いています。
果実
果実は灰褐色の頴果、小苞毛と共に外れて脱落し、動物の毛や目の粗い服などにくっつく、ひっつき虫です。
嫌われ者なのかと思ったら・・欧米では園芸品種が作られ観賞されているとか。確かにシンプルな姿に存在感のある穂と、イングリッシュガーデン、グランドカバーのアクセントにもなりますし、引き抜くのも困難なほど根を張るので、法面緑化には最適な植物ですね。