熱帯アジア原産、明治時代初期に観賞用として渡来しました。和名はハナウリクサ(花瓜草)、ナツスミレ(夏菫)英名はY型の肋骨の花という意味のwishbone flowerです。トレニアの名前は、スウェーデンの東インド会社に派遣されていた牧師であり植物学者でもあったトレン氏に由来します。
特徴
アゼナ科(ゴマノハグサ科)のツルウリクサ属の一年草。
葉
葉は3~7cmの卵形で葉脈がはっきりして鋸歯があります。
花
これはトレニアバイオレットムーンです。40種類ぐらいあり、花の色も様々。黄色の花弁に花芯が茶色という変わった品種もあるそうです。トレニアは食用の花だそうです。が、観賞用に売っているものは、薬品処理されているので食用にはなりません。
トレニアは特殊な花の構造を持っていて重要な研究材料になっているそうです。6月~10月まで次々と花を付けてくれます。暑さにも強く育てやすい園芸種です。
上唇は2つに割れ下唇は3つに割れていて、下唇の内側中央にはどんな色の花も同じ黄色の斑紋があります。中央に見えるのが先が2つに割れた雌しべ、その左右にあるのが雄しべです。
受粉の仕組み
雄しべの先は花粉がたっぷり入って膨らんでいます。
雄しべが花粉を出し終わると上の写真のように長い2本の雄しべが上の方に移動してアーチ状になり、隠れていた雌しべが出てきます。花柱の付け根にも短い雄しべがあります。
雌しべの先は2つに分かれて開いています。昆虫がやってくれば雄しべの花粉を付けて別の花に運んで行ってくれます。
振動性傾性運動
雄しべが上下に分かれたのは花粉が運ばれる確率を上げるためでしょうね。花粉が運ばれると雌しべは花粉が乾燥しないよう、確実に取り込むように2つに分かれた先を閉じます。触れると閉じる、振動性傾性運動といいます。
右下の花の雄しべは張りがなくなり開いてしまっています。役目が終わりました。
果実
今は花も終わり、葉の綺麗なライトグリーンの色も褪せてしまいました。種子が出来ています。零れ種で何年か楽しめることでしょう。