お正月の縁起物のセンリョウがふっくらつややかになってきました。千両の赤と黄、蕾が立ち上がってきた日本水仙の白で冬の庭も華やかになります。センリョウ科センリョウ属の常緑小低木です。センリョウの他の属名はクロランサス、ギリシャ語で黄緑の(クロロス)花(アントス)の意味です。ヒトリシズカやフタリシズカも同じセンリョウ科です。
センリョウの特徴
黄色の実のキミノセンリョウです。植えた覚えのない木です。鳥からのプレゼントでしょう。
葉
高さ50~100cm。対生、幅4~6cm、葉身10~15cm、の長楕円形で先は尖り鋸歯があります。葉も艶があって優しい緑色をしていて赤や黄色が映えます。結構虫食いや色あせもあって葉をきれいに育てるのは結構大変です。
花
花期は6~7月。センリョウの花は原始的で不思議な花です。風媒花なので派手な花の必要もないのでしょう。同じ風媒花のヤマモモも地味な花です。両性花で、花びらもなく蕚もありません。緑色の部分が雌しべ、その横に白い雄しべが1個、雄しべの左右に黄色い葯が付いてます。葯が破れると黄色から褐色に変わっていきます。
果実
核果で直径5~7mm、上の写真の中央の2個並んだ実には2つの大小の黒っぽい点が見えます。大きいほうが雌しべの子房に付いていた柱頭の跡で、小さな点が、雄しべの跡です。10~2月頃まで楽しめますが、鳥たちも狙っています。
育て方
比較的温暖な林の常緑樹の下に自生しています。木の下は苦手な西日を避けることも出来、寒さ、霜からも守ってもらえます。80cmほどとコンパクトで樹形も乱れにく比較的育てやすい種類です。花粉が出るころに雨が多いと花粉が濡れて花付きが悪くなることがあります。またあまり日当たりが悪すぎても花付きが悪くなります。
剪定
あまり込み合うと風通しが悪くなります。短い枝や枯れた枝などは取り除きます。実の付いた枝を地際から切ってまだ実の付いていない新しい枝を育て株を若返らせます。
増やし方
種蒔き、挿し木、株分けで。種蒔きは3月。種は3か月ほどで芽は出ますが、実がなるまでは3年ほどかかります。挿し木は、5~6月頃。株分けは4~5月。根を崩さないように気を付けて浅植えにします。
別名
- クササンゴ(草珊瑚) 中国では漢方薬として使われています
- タケフシソウ(竹節草) 確かに茎は竹の節のようにみえます
- センレイソウ(仙霊草)
- 江戸時代までは仙寥と書かれていました。
センリョウの種類
- シロミノセンリョウ 白い実の付く珍しい品種、
- キミノセンリョウ 美しい黄色の実をつける。赤い実の最寄り実の付きが少ない
- 斑入りセンリョウ 白尾い覆輪やクリーム色の班を持つ品種
- ムラサキセンリョウ 黒葉千両(烏葉千両、紫葉千両)ともいう 深紅の花と、赤い実、葉の葉表が深緑色、葉裏が濃い茶の品種。新芽は黒く特に美しい
縁起物
縁起物として正月に使われます。
億両 ツルシキミ ミカン科ミヤマシキミ属
万両 マンリョウ サクラソウ科ヤブコウジ属
千両 センリョウ センリョウ科クロランサス属
百両 カラタチバナ(唐橘)サクラソウ科ヤブコウジ属
十両 ヤブコウジ(藪柑子)サクラソウ科ヤブコウジ属
一両 アリドオシ(蟻通し)(有通し)アカネ科アリドオシ属 短枝が変化した刺がある。
天敵のムクドリがきーきー鳴いています。赤い実は狙われています。見るたびに減っているような気がします。網掛けが必要なようですね。
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