庭の一番暗くて湿り気があって、蚊が多い一角には、ゼニゴケがたくさん生えています。ゼニゴケ科ゼニゴケ属、北海道から九州まで、人家のじめっとしたところで増殖中です。葉と茎の区別がつかない葉状体で裏側中央から根を伸ばし地面に圧着します。
雌雄異体
雄器は、長い柄を出して、傘を広げたような形です。この傘の中で精子を作り、梅雨の雨の日に白い精子が雨水とともに溢れ出ます。水たまりの中を泳いで運のいい精子が雌器に到達します。
上の写真は「破れ傘」と呼ばれる雌器です。傘の内側に造卵器があって、ここに精子が到達すると、胞子が作られ放出され、地面に落ちて発芽して増えていきます。受精時にはもっと地面に近い位置にあります。
無性的繁殖
雌雄異体ですが、都会では無性的に繁殖することが多いようです。理由は雄は弱いからだそうです。
胚状体と無性芽
この丸いクレーターのようなものは、杯状体といって円盤状の無性芽が作られ放出されます。そして 無性芽はこぼれて増えていきます。
2股に分かれて増えていきます。なんだかユーモラスな形です。茎と葉の区別がなく裏側から根っこのようなもので地面にびたっと張り付きます。よく見ると変化に富んで面白い植物です。でも厄介な存在ではあります。
退治法
- 熱湯をかける 狭い所に効果的、沢山撒くと効果長持ち。
- 冬まで待って、乾燥して浮いてきたところをべろっとめくる。
- 石灰窒素を満遍なく薄く撒く。他の植物に影響が出るので注意。
- 湿り気のある状態をなくす。砂をまいたり、凸凹をなくす。
- 天気の良い日中に除草剤をまく。茎に作用するタイプの除草剤は効果がない。ゼニゴケ用の除草剤がある。
- 諦めて観賞する。
さてどれを選びましょうか。ともあれ面白い発見でした。