池田山公園 ふれあい広場 毒のある植物 植物の構造 育て方

ジンチョウゲ科~ジンチョウゲ(沈丁花)

まだ花の少ない2月からずっと甘い香りを運んでくれます。沈丁花(ジンチョウゲ)は金木犀(キンモクセイ)や 梔子(クチナシ)とともに三大香木に数えらます。沈香(じんこう)の香りに似た芳香を持ち、丁子(ちょうじ)に花の姿が似ていることから、この名前が付けられました。別名、瑞香。

ジンチョウゲの特徴

ふくよかな香りのジンチョウゲはラメのようにきらきら光って透明感がある花。

中国東南アジア原産のジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の常緑低木です。室町時代に根を薬用にするために渡来しました。ダフネチンを含み全草が有毒で根、樹皮、樹液、果実は特に強いそうです。樹液に触れると皮膚炎が起きるそうなので注意が必要です。

ジンチョウゲの葉は全縁、披針形で花を囲むように光沢のある厚みのある葉を放射状に出ます

樹高100~150cm。葉は幅2.5~5cm、長さ5~12cmの倒披針形で全縁、互生に花を囲むように放射状に付きます。無毛で革質、光沢があり厚みがある葉です。斑入りのものもあります。

ジンチョウゲは花弁のように見えるのは蕚でキラキラしている

花期は2~4月。花柄には毛があります。花弁は退化して花弁のように見えるのは蕚です。萼筒は6~10cm、厚みのある白い蕚は、ラメを散りばめたようにきらきら光って透明感があります。ふくよかな香りをより増しているかのようです。

赤紫色のジンチョウゲ、蕾の時は濃い赤紫色

花は白色のほかに赤紫色があります。蕾の時は濃い赤紫色です。

赤紫色のジンチョウゲは花が開くと蕚の外側が赤紫、内側が白色

花が開くと蕚の外側が赤紫、内側が白色です。12~20個ほどの花が付き華やかです。萼は卵形に4裂します。花柱は短く花頭は球形、雄しべは8本、うち上部の雄しべが萼から出ています。

両性花ですが、雌雄異株、日本にあるのはほとんどが雄株

両性花ですが、雌雄異株で花後に赤く丸い果実が付くそうですが、日本にあるのは殆どが雄株だそうで実は見たことがありません。

育て方

半日蔭で育ちます。

手入れ
同じ仲間のミツマタと同じように枝が3本に分かれていきますから、樹形は整いやすく、剪定もあまり必要ではありません。込み合ったところだけつけ根から切ります。

増やし方
春と秋に15cm程に切って挿し木で増やせます。

病害虫
白紋羽病、ウイルス病、アブラムシ、ハマキムシ。

以前、赤紫色のジンチョウゲを移植せざるを得なくなって、枯らしてしまったことがあります。細かい根が傷つきやすく出にくいので移植は難しいようです。成長も遅い木です。

沈香とは

ジンチョウゲ科ジンコウ属の熱帯高木を地中に埋めて腐らせて作る香料のことです。菌が感染したり傷ついたときには木は樹液を出して守ろうとします。この樹液が固まって樹脂になり、この樹脂が長い年月をかけて変化して特有の香りを放つようになります。

木が育つのに20年、沈香ができるのにさらに50年、高品質になるには100年以上の年月が必要です。人工では出来ないそうですよ。黒褐色で光沢を帯び比重が大きいものが品質が高いといわれ「伽羅」と呼ばれます。「沈」は比重が高く水に沈むことから付けられたものです

このところ香りが薄くなってきたように思います。

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