春先庭に芽を出して気になっていた植物に6月、綺麗な花が咲きました。
ヨウシュヤマゴボウの特徴
小さくて可憐で楚々とした花です。名はヨウシュヤマゴボウ。北米原産、ヤマゴボウ科ヤマゴボウ属の多年草で、明治初期に広がった厄介な帰化植物です。
葉
最初はこんな目立たない草でした。大きなものは2mにもなります。
茎は緑色から太く赤く変化します。葉は10~40cmの長楕円形で先が尖ります。
花
花期は6~9月。総状花序が長く垂れ下がり、根元の方から花が開いていきます。花径5~6mm、白色の花弁のようなものは5枚の萼片です。雄しべが10本放射状にきれいに並んでいます。中央の緑色の部分が雌しべです。雄しべの花粉が出尽くすと雌しべの先が10裂して柱頭が開きます。
果実
茎が垂れ下がってきました。果実は約8mmの扁球形です。
未だ綺麗な緑色の実ですが、新しくついた蕾は茎や花の一部に赤みがかったり、茎だけ真っ赤になったり、変化してきました。熟した赤黒い実は触っただけで赤紫色の液がでます。染料として使われたこともあり、アメリカではインクベリーとも呼ばれます。
ピンク色の茎が綺麗です。萼もぽてっとして面白い。そして下の写真のような実になりました。このかばちゃのような実の中には仕切り一つに1個の種が入っています。
根
ヨウシュヤマゴボウはこれから葉が紅葉しますが、待たずに抜くことにしました。サクランボの根に絡んで大変でした。直径2cm程になった茎の先は芋の様に膨らみ、先に分かれた根が深く伸びていました。根の途中に子芋のようなものも付いていました。太い真ん中の根が山芋の様でぶつぶつ切れて取りきれたか心配です。
毒
果実<葉<根の順に毒が強くなります。果実は毒性が弱くても種子は強くて危険です。厚生労働省から自然毒のリスクプロファイルが出されています。フィトラッカトキシン、フィトラッカサポニン、フィロラッキゲニン、硝酸カリウムを含みます、誤食により嘔吐や下痢中枢神経の麻痺や痙攣、意識障害が起きます。根や種子に含まれる植物たんぱく質には毒がありますが、薬としての研究が行われています。
似た植物
在来種のヤマゴボウは茎が緑色、花序は短く直立で、果実も下垂しません。マルミノヤマゴボウは果実が球形です。やまごぼうとして漬物で売られているのはモリアザミというキク科の植物です。ヨウシュヤマゴボウの若い株の根が似ています。
・・・なかなか魅力的な植物でした。でも残念ながら来年は芽を出したら抜きます・・・