マンサク科トサミズキ属のトサミズキはなかなか面白い植物です。近所の病院のふれあい広場にたくさん植えられています。落葉低木ですが、幅をとるので狭い庭には不向きですね。冬に向かって葉が黄色くなってきました。土佐に自生していたことでこの名前が付きました。江戸時代から庭木や盆栽、切り花として楽しまれています。
トサミズキの特徴
花
株立ちの樹形で、樹高2~4m、2月中旬、蕾が付いています。
葉に先立って枝先に長さ8cmほどの穂状花序が垂れ下がります。花期は3~4月。花序には花径8mm長さ15mmの7個ほどの淡い黄色の花が付きます。花弁は5枚、萼片5枚、雌しべ2本、雄しべ5本です。
葯が割れて黄色い花粉が出始めている雄しべがあります。葯は赤色から、だんだん茶色に変わっていきます。見るたびに形が変わっていきます。きれいというより変。
葉
花が萎むとその根元から葉の新芽が出てきます。花後もそのままに。葉がまだ畳まれています。葉の周りがプチプチのよう。
葉は5~10cm、厚みがあり左右不同の円形葉脈に沿って凹凸が顕著で、鋸歯があります。
葉の縁が赤く彩られています。葉表は散毛が葉裏には軟毛が密生しています。
4月、葉の色が鮮やかになってきました。葉も姿を変えていきます。トサミズキの魅力はこの葉にもあります。
若い茎は分岐点でジグザグに屈折しています。
葉が色づいてしてきました。
果実
果実は8~10mmの球形で緑色、花柱が角状に残っています。10~11月、熟すと褐色になり2裂して種子を出します。
種子は光沢がある黒色で3~5mmの楕円形。一般的には種子ではなく株分けと挿し木で増やします。