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ツユクサ科~ヤブミョウガの七変化

急な坂を上っていった先に5本の道が変則的に交わった所があり、道路に挟まれた三角形の狭い場所に小さなお堂があります。近隣の人によって色々な植物が植えられて手入れされています。その中にヤブミョウガを見つけました。

ヤブミョウガのまだ緑色の若い果実

名のごとく、ミョウガに葉の形は似てはいますが、ツユクサ科ヤブミョウガ属の多年草です。東アジアに分布し、関東以西の林縁などに自生しているそうです。強いお日様が苦手で、少し湿気のあるところが好きなのはミョウガと一緒です。草丈50~100cm。

花は両性花と雄花があり、花径は8mm、白い花弁3枚と白い蕚が3枚、6本の雄しべと1本の雌しべからなります。両性花は花柱が長く伸び、雄しべも花から出ています。雄花は、子房は小さく茶色、短い花柱は垂れさがり、黄色い葯の付いた雄しべが目立ちます。午後になると雄しべ、内花被片の順番に内側に巻き込むように閉じていきます。花柱はぴょんと飛び出したままです。

ヤブミョウガの果実、白→薄緑→薄茶→茶→紺→藍紫と変化します

8月頃、輪生状に花をつけ内側から順番に咲いていきます。上の写真のヤブミョウガははきれいに並んで白い蕚と薄緑色の実がとてもきれいです。その日は暑くて、急坂の先に出会ったので余計に爽やかな気持ちになりました。茎には先がかぎ状に曲がった毛がぎっしり付いています。葉はミョウガと違い互生につき裏面には毛が生えています。また葉は下部は退化して、上部に固まって付きます。実は白→薄緑→薄茶→茶→紺→藍紫と色を変えていきます。

果実の中には20個以上の種子があり、種と地下茎、両方で増えていきます。しかも丈夫。学名はPollia japonica、日本の名前がついています。英語ではPolliaです。

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