下向きに咲く釣り鐘型の淡い花は趣があります。毛だらけの花の中を覗いてみたくなります。
ホタルブクロの特徴
キキョウ科ホタルブクロ属(カンパニュラ属)の多年草です。中国、朝鮮半島、日本原産で全国の草原や道端で見られます。別名ツリガネソウ(釣鐘草)、アメフリバナ(雨降花)、チョウチンバナ(提灯花)、アンドンバナ(行灯花)。
葉
草丈30~80cm。根茎は細く短く匍匐枝を横に伸ばし増えます。根生葉は長い葉柄があり心形で花期には枯れます。茎葉は互生、幅1.5~4cm、長さ5~8cmの披針形で不規則な鋸歯があります。下部は短い葉柄、翼があり上部は茎を抱きます。上部の葉は小さくなります。
若葉や若芽は揚げ物や茹でてさらして和え物などで、花も酢の物やサラダで食べられます。
花
花期5~7月。長い花茎を伸ばし穂状に数個の鐘型の花を下向きに付けます。萼片は長く5裂しその間に反り返った付属片があります。ホタルブクロの変種で山地に多く見られるヤマホタルブクロは付属片がなくその部分が小さく盛り上がります。
花色は淡紅色と白色。関東には淡紅色が多く関西では白色が多く分布しています。品種改良で青色や青紫色、八重咲のものもあります。長さ4~6cmで花冠は浅く5裂し、内側は白色で紫色の斑点があり長毛が密生しています。雌蕊1本、雄蕊5本。虫媒花でマルハナバチを待っています。
雄性先熟
蜜は花盤に貯まっています。花柱を雄蕊が取り囲んでいます。花が閉じている間に葯が開き基部にある集粉毛に花粉が貯まります。雄蕊は萎びます。この時雌蕊は閉じていて受粉しないようになっています。蜜を吸いに来た昆虫は集粉毛についている花粉を付けて他の花にわたり、他の花の柱頭に花粉を付けて受粉します。花粉が無くなったら柱頭は3裂して他の花の花粉を受け入れます。自家受粉しない仕組みになっています。
果実
萼筒に1cmの半球形の果実が付きます。蒴果で熟すと種子は散布されます。種子は灰褐色で約1mmの楕円形。
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