我が家のイチジクは 蓬莱柿(ほうらいし)という品種です。秋果のみ収穫する晩生専用種です。クワ科イチジク属です。今はすでに1m以上伸び、節々に次々実を付けています。
イチジクの特徴
イチジクは、クワ科イチジク属の落葉高木。江戸時代にペルシャから中国を経て長崎にやってきました。これが今では在来種、日本イチジクと呼ばれる、蓬莱柿にあたります。6000年も前から栽培されていて、古代ローマでは甘味源や薬として重要だったそうです。旧約聖書のアダムとイブが隠しているのがイチジクの葉ですから、古くから身近なものだったのでしょう。
幹は良く分岐して灰褐色、葉は大型で掌状3裂し互生に付きます。葉の裏には毛が密生し、葉や茎を切ると白い液が出ます。夏から秋にかけて葉腋に次々と果実が付きます。
無花果
イチジク(無花果)という字が表すように、花を外から見ることはできませんが、花茎が肥大化した花嚢の中にちゃんと柄を持った花があります。花びらはありませんが茎の先端に花が並んだものを茎が包み込んだ形態で「隠頭花序」または「イチジク型花序」と呼ばれます。自然のイチジクには雄木と雌木があってイチジクコバチがいなければ実がならないそうです。今、食用とされているのは、「単位結果性」で、イチジクコバチがいなくても結実します。食用になっている部分は果肉ではなく小果と花托です。
育て方
イチジクはとても育てやすい果物で、お薦めの点は
- 植えて2,3年で食べられる。
- 受粉の手間がかからない。
- 完熟果は、八百屋さんでは手に入らない特別のご褒美。濃厚。
- 栄養たっぷり。
- 収穫の期間が長い。ながーく楽しめます。
- 病害虫が少ない。カミキリムシには注意。
- 剪定も簡単。
- 挿し木で増える
特に収穫期間が長いことが一番のお勧めの点です。一度にどっさり採れると配ったり保存方法を考えたり大変です。ぜいたくな悩みですが。鉢植えでも大丈夫です。蓬莱柿は味もいいし寒さにも強く、雨で実が崩れやすいところはありますが、お勧めです。
剪定
落葉後にその年に伸びた部分の2節残してバッサリ切ります。枝数が増えていきます。その年育つ枝に実を付けるので、切り戻さないと、木ばかり大きくなって実の付きが悪くなります。
病害虫
特に病気は気になるものはありません。カミキリムシは幼虫が幹や茎に入って木を枯らしてしまうそうです。穴からフンを出すのを目印に捕殺します。私はまだ見たことがありません。
おまけの夏果
晩生専用種ですが、切り戻した枝の先で少しだけ夏果も楽しめます。いつの間にか先がぱっくり割れて赤い粒粒がこぼれそうです。今年最初の収穫です。外から見ると美味しそうに見えませんが、甘くて濃厚な味でした。剥き方は軸から剥くとすんなり剥けます。
イチジクコバチの話
2013年に「ダーウィンが来た」で放送されたイチジクコバチの話ご存知ですか?。イチジクがないとイチジクコバチは生きられず、イチジクコバチがいないとイチジクは実を付けられないというお話です。
- 雌のイチジクコバチは、イチジクを見つけると、中に入り、持ってきた花粉を受粉させます。この時,コバチに寄生して運ばれてきた線虫は体を離れ、コバチは羽もとれぼろぼろになって花にたどり着きます。
- 短い花柱に管を差し込み産卵し、命を終えます。花柱の長いところは種ができます。
- 幼虫は種を食べながら成長し、2か月で成虫になります。
- 交尾をし、雄は雌のために脱出口を作り、数時間で命を終えます。
- 雌は胸のポケットに花粉を入れて、他のイチジクに向かって飛び立ちます。
雄木の花粉を持って雌木にたどり着けないと受粉はできません。 - イチジクの中で寄生された線虫に体力を奪われながら、天敵と闘いながら、飛ぶのです。
エジプトイチジクは、年に数回、1t以上の実を付け、ぞうやキリン、魚からワニまで沢山の命のもとになっています。それを支える1.8mm程の小さなハチのけなげで大きなお仕事のお話でした。
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