沢山の虫を呼んでいる木の下を覗いてみると大きな岩を覆うように根を伸ばしています。
キヅタの特徴
ウコギ科キヅタ属の常緑つる性の木本。キヅタの名はブドウ科のツタに対して木本的という意味(木部が発達した多年草の地下茎を持つ植物)。落葉性のツタに対して冬に葉のあるのでフユヅタ(冬蔦)と呼ばれます。中国ではムカデに例えて百脚蜈蚣。蜈蚣はゴコウと読んでムカデのこと。
気根
気根を出して樹木や岩を這いあがります。気根は茎を支えるのが役目で水分や栄養分の吸収はしません。
葉
樹皮は灰色で皮目があります。茎や葉は無毛、葉は厚く革質で艶があり互生に付きます。若い枝は緑色、葉は幅2~4cm、葉身3~7cm、菱形、倒卵形で浅く3~5裂しています。花序の付く枝の葉は倒卵形から楕円形で全縁です。
花
花期は10~12月。茎頂に直径2.5~3cmの散形花序を1~5個付けます。花序には黄緑色の花径1cmの小さな花を沢山つけます。花茎と萼には鱗状毛があります。中央部分は雄性期の花で花床は暗紅色、反り返った4mmの花弁が5枚、5本の雄しべがあります。右側は花弁も雄しべも落ちた雌性期の花です。緑色の花柱が見えます。葯は黄色で裂開すると茶色になります。
果実
直径8~10mm、核果で翌年の春、紫黒色になります。円形の花床と花柱が残っています。中には直径5mmの扁球形の種子が5個入っています。
パチパチと弾けるような音に気づき何かと見上げると、大きな樹にキヅタがどくろのように巻き付いていて、足元には大量のキヅタの果実が敷き詰められていました。すごいエネルギーを感じました。
キヅタに来た虫たち
いつもキヅタの周りには虫たちが飛び交っています。
ハエたちがとても多くツマグロギンバエもいました。
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