毒のある植物 植物の構造 育て方

キンポウゲ科~セイヨウオダマキ(西洋苧環)

艶のある濃い紫色に金色に見える雄しべのセイヨウオダマキは高貴な佇まいです。儚げなもの、優しい花、ダイナミックな花、花色や形で随分と印象が変わります。

セイヨウオダマキの特徴

糸繰草の名のように変わった形の花、オダマキ

キンポウゲ科オダマキ属の多年草で、日本、アジア、ヨーロッパに70種ほどが分布しています。ヤマオダマキ、ミヤマオダマキは日本の山地や高地に自生する山野草です。苧環(おだまき)は麻糸をまく道具に形が似ていることから付けられました。糸繰草(いとくりそう)の名もあります。オダマキは交雑種を作りやすい種です。全草に「プロトアネモニン」を含み毒です。

2月、オダマキが葉を出しました。長い茎に2回3出複葉になります

2月、枯れていた地上部に葉を出しました。根上葉は根元で茂り、長い茎に3枚の葉が2回出現(2回3出複葉)小葉は短い茎に深く裂けて、3裂します。鋸歯はありません。茎、葉は粉を帯びたような緑色です。草丈は20~70cm程になります。

花の基部にあって後ろに突き出し角のように内側に曲がったオダマキの距

4月、蕾が付き始めました。花期は4月~6月、茎を真っすぐ伸ばして上部で分岐して4cm以上の花を下向きに1~10個付けます。花の基部にある後ろに突き出し角のように内側に曲がった部分は距(きょ)と呼ばれ蜜腺があります。

蕚(外側に長く伸びる花びらのようなもの)の形が面白いオダマキの花

外に伸びているのが萼で5枚、花弁は内側の5枚の筒状の部分で萼片より小さい。

雌しべは5本、雄しべは多数。

緑色の子房に葯が破れて花粉があふれているオダマキ

緑色の子房が見えます。白い糸状の花糸と葯が破れて黄色い花粉が出ています。

花弁が散って緑色の子房が膨らんできたオダマキ

6月、そろそろ花も終わりです。

花色は赤、紫、ピンク、黄、白、複色とカラフルで形も一重や八重咲きのもの、矮性種、高性種と種類が豊富で、趣のある花を咲かせます。

セイヨウオダマキ

薄いピンク色とクリーム色の複色。

セイヨウオダマキ

細くて長い距が優雅です。

八重のオダマキ

八重咲種です。

果実

黒い種子が見えるオダマキの果実

今年は種を採ることにしました。袋果は長さ15~25mm、狭い円筒形で側面には脈が目立ち花柱が残っています。

光沢があり乾いた音がする大量に出来たオダマキの種子

カラカラと乾いた音がして、大量の種が零れ落ちました。狭卵形で平滑、黒色で光沢があります。

育て方

耐寒性が強く半日蔭を好みます。夏の直射日光は苦手です

植え替え
2月から3月上旬に。直根性ですから太い根を傷つけないように注意します。

手入れ
夏にお休みしてまた秋に花を付けることもあります。種を採る必要がなければ花後に花茎から摘み取ります。

増やし方
3,4年で株が弱るので種を蒔いて株を更新していきます。採種してそのまま蒔く(とりまき)か、翌年の2月から3月に蒔きます。とりまきの場合は苗が小さいので夏越しには注意が必要です。翌年蒔く場合は冷蔵庫で保存して一晩水に付けてから蒔きます。蒔いてから芽が出るまで半月から1か月かかります。

病害虫
ヨトウムシ(夜間に葉や蕾を食べる)ハダニ(葉が白くかすれたようになる。乾燥すると発生しやすい)アブラムシが付いたときは虫の除去、薬剤の散布をします。うどんこ病(白く粉をふいたようになる)になった部分は完全に除去します。

雨の後、オダマキの葉に来たルリマルミノハムシ

雨の後、ルリマルミノハムシが来ていました

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