小さいながら沢山の花を付け、白い清楚な花に鮮やかなオレンジ色の花盤が華やかです。果実もウツギ特有の花柱が残る燭台のような形です。
マルバウツギ
- アジサイ科(旧ユキノシタ科)ウツギ属の落葉低木
- 分布 関東以西の本州の太平洋側、四国、九州
- 在来種
- 樹高 1~2m
- 花期 5~7月
- 別名 ツクシウツギ
葉
樹皮は灰色から灰褐色、縦に裂けて短冊状に剥がれます。髄は中空。若い枝は紫色を帯び星状毛が密生します。葉は対生、短い葉柄があり4~7cmの卵形から楕円形、基部は円形、先端は鈍く尖ります。
名の通り他のウツギの仲間より丸い葉をしています。側脈は5~7対。両面には星状毛があり不揃いの鋸歯があります。葉裏は淡緑色で葉脈が隆起します。
花序のすぐ下の葉には葉柄がなく茎を抱きます。
空木の中では珍しく紅葉します。日当たりの良い場所では赤く、日当たりの悪いところでは黄い色を帯び柔らかな印象です。日陰の場所ではあっという間に葉を落としていました。
花
葉腋から円錐花序を出しウツギより小型の1cmほどの鐘形の白色の花を多数付けます。萼は浅く5裂し円頭で星状毛が密生しています。
花弁は5枚、平開しオレンジ色の花盤が目立ちます。雄しべは10本、葯は黄色、花糸は白色、翼があります。翼はウツギの花糸の特徴ですが他に比べてなで肩、下部が広く上部は緩やかに細くなっています。花柱は白色で3裂します。
果実
果実は約3mmの椀形の蒴果で萼片と花柱が残り星状毛があります。花盤が目立ちます。熟すと茶褐色になり3~4裂し種子が散布されます。種子は1mmの長楕円形で褐色、両端が尖り膜質の翼があります。