艶のある明るい小さめの葉は爽やかで小粒ながら赤い実は良く映えます。
ソヨゴの特徴
中国、台湾、日本の本州中部以南、四国、九州の山地に分布するモチノキ科モチノキ属の常緑小低木です。漢字では冬青。ソヨギとも呼ばれます。硬くて緻密な材であることからそろばんの珠や櫛に利用されています。サカキの代わりにソヨゴを使う地方があるそうです。葉にはタンニンが含まれ褐色の染料になります。日当たりを好みますが、日陰でも育ち庭を明るくしてくれ、庭や公園によく植えられてます。成長が遅く剪定は難しいようですが土壌を選ばず、病害虫にも強く丈夫な植物です。
幹 葉
樹高3~7m。樹皮は灰褐色で滑らかです。株立ちの樹形です。1年目の茎は淡緑色で稜があります。葉身4~8cm、幅2~3cmの卵形楕円形で先は尖り、基部は円形です。新葉は赤みを帯び鋸歯がありますが、やがて全縁になり波打っています。両面無毛で互生です。葉裏の葉脈は不明瞭です。
ソヨゴタマバエが芽に球形の虫えいを作ります。出来立ての虫えいは紫色、中には複数の部屋があって黄色い幼虫がいるそうです。
花
花期6~7月。雌雄異株です。今年伸びた枝の葉腋から長い花柄を出し白い小花を付けます。
雌花は3~4cmの花柄の先に1~3個の花を付けます。花柄の途中に小さな苞葉があります。花径4mm、4~5枚の花弁に子房は球形、花柱はほとんどなく花頭は1個です。退化した雄しべが花弁の数だけ付きます。
雄花は1~2cmの花柄の先に3~8個の花の集散花序が付きます。花径3mm、退化した雌しべと花弁の数の雄しべがあります。
果実
10~11月赤く色づきます。核果で直径8mmの球形で雌株に付きます。先端に花頭の跡が残っています。長さ4mmの楕円形の種子が4個入っています。
クチクラ
ソヨゴはフクラシバ(膨らし葉)とも呼ばれています。
「膨らし葉」は火に入れると内部で発生した水蒸気が外に出られずに音を立てて破裂することによります。これにはクチクラ層が発達していることに関係しています。クチクラ層は動植物の表皮組織の上層に存在する透明な蝋状物質の層です。水分の蒸発を防いだり内部を紫外線や病原体、障害から保護をする役目を持っています。英語ではキューティクル、日本語では角皮。
乾燥地や海岸の植物は塩害や乾燥から守るためにクチクラ層が発達しています。葉の表面が光って見えるのはクチクラ層で反射しているからで「照葉樹林」はこのことから付けられた名前です。