植物 植物の構造 育て方

アブラナ科~ストック(紫羅欄花)

葉色、花色、咲き方も違う沢山の園芸品種があって多様な楽しみ方ができますが、私にとってのストックは優しい香りがして淡い緑色の葉に白やピンクの柔らかい花弁が重なる華やかな春の花です。

ストックの特徴

華やかなピンク色の八重咲のストック

ストックはアブラナ科マッティオラ属(アラセイトウ属)の植物です。日本には江戸時代に渡来しました。和名はアラセトウ(紫羅欄花)。原種は紫色の一重の花で南ヨーロッパから北アフリカにかけて自生しています。ヨーロッパでは古くから栽培され薬草として利用されていました。16世紀には八重咲のストックが園芸用に栽培されていたそうです。日本では大正時代末期から千葉県安房地域で切り花生産が始まりました。

種類

・スタンダード系(一本立ち)とスプレー系(側枝に花を付ける)
・高性種(草丈60~80cmの切り花用)と矮性種(草丈20~30cmの花壇用)
・花ー八重咲と一重咲き
・葉ー有毛種(葉色が淡緑色)と無毛種(葉色が濃い)
・花色ー赤、ピンク、紫、白色、淡黄色

一重のストック

4枚の花弁が十字に付くアブラナ科らしい一重の赤色のストック

一重のストックです。 アブラナ科らしく4枚の花弁が十字に付きます。アブラナ科は以前はジュウジバナ科と呼ばれていました。

一重のストックには雄しべと雌しべがある

一重のものには雄しべと雌しべがありますが、八重咲は花弁に変化しています。

しっかりしていそうで弱いストックの茎、茎を切るとキャベツのような匂い

ストックの名の通りしっかりとした茎ですが見た目ほど強くないので扱いに注意が必要です。茎を切るとキャベツのような匂いがします。薬品処理されていなければ食べられます。

果実

一重のストックにだけ付くアブラナ科らしい果実

アブラナ科らしい果実が付きました。八重のものは生殖能力がなく種を付けません。

八重咲

葉や茎には白い軟毛が生え白っぽく見える八重咲のストック

花の少ない冬の時期に花壇でも切り花でも香りと優しく華やかな彩りを添えてくれます。葉は互生に付き、葉や茎には白い軟毛が生え白っぽく見えます。柔らかな花色とよくマッチしています。

2~3cmの花が溢れるように重なって豪華名八重咲のストック

2~3cmの花が溢れるように重なって豪華です。

葉の色が濃くピンクの色が生える八重咲ストック

八重選別と種の色

一重の種を蒔くと八重と一重は半々の割合で発芽することになります。種蒔きから2週間ほどで八重と一重に分ける八重選別という作業をするそうです。
八重ー発芽が早い・葉色が淡緑色・葉の形が長楕円形でくびれがある
一重ー発芽が遅い・葉色が濃緑色・葉の形が丸形

種の色は花の色によって色が違います。赤や紫のものは色が濃く、白や淡黄色のものは白っぽい色をしています。

育て方

暖地なら冬越しできますが霜よけは必要です。10~15℃の温度に3週間さらされると花芽が付きます。暑さと湿度が苦手で夏には枯れてしまうので一年草の扱いになります。

手入れ
花や蕾に傷をかけると花がしぼんでしまします。直根性の植物なので植え替えの時は根を傷めないように注意が必要です。スプレー系のストックは先端を摘んで脇芽を出させます。種を採らないのなら一重の花の花後にできる鞘は除きます。

増やし方
種蒔きは9~10月。発芽温度は15~20℃。

名前の由来

学名はマティオラ・インカラ。マティオラはイタリアの植物学者マティオリの名前に由来します。インカラは「灰白色の柔毛に覆われた」の意味で葉や茎に毛があって灰白色に見えることによります。
アラセイトウ葉の手触りが羅紗(ポルトガル語でラセイタ)に似ていることから「葉ラセイタ」となり、そこから変化したといわれています。

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