あちこちに巻き付いて覆いかぶさるように広がっています。3つのタイプの花を付け2タイプの果実を付け、種子はウズラ卵の様な模様・・なかなか興味深い植物です。
ヤブマメ
- マメ科ヤブマメ属のつる性1年草
- 分布 関東以西、東アジア
- 在来種
- 草丈 2m
- 花期 9~10月、
- 別名 ギンマメ(銀豆)
葉
主茎は2mほど伸長し葉腋からよく分岐して他の植物に巻き付き、また地面を這います。葉は長い柄のある3出複葉を互生に付けます。小葉は3~6cmの卵形、両面に伏毛があります。葉柄の基部には3角状の托葉が付きます。
花
地上部開放花、地上部閉鎖花、地中部閉鎖花の3つのタイプの花が付きます。地上部開放花は葉腋から出る短い総状花序に密に付きます。1.5~2cmの蝶形花で旗弁が紫色で後ろに反り返り翼弁、竜骨弁は白色、雄しべは10本、9本が合着し1本が離れて付きます。花糸は白色、葯は黄色です。萼は5裂し先端が尖り毛が密生しています。
地上部閉鎖花は短い柄に付く花弁も蜜腺もない花で、地中閉鎖花は地中の細い茎に付きます。
果実
開放花と閉鎖花の果実はよく似ていて閉鎖花由来の方が萼の先端が鋭く尖っているそうですが確認できていません。豆果.は2.5~3cm、中には種子が3~5個入り扁平で複合線に伏毛があります。
熟すと5mmの黒い斑点がある種子が弾け飛ばされます。地中の果実は茎の先端に付き、密着した薄い果皮に包まれた大きな歪な球形の種子が1個入ります。地上部の豆果は有性生殖、地中の豆果は単為生殖です。1年草ですから枯れてしまいますが、単為生殖のクローンが同じ場所で確実に生息場所を確保し、有性生殖の種子は多様性を獲得し生息地域を広げていく戦略です。春に地中の豆果を掘り出して食用に、そら豆のような味だそうです。