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ウコギ科~ヤツデ(天狗の団扇)

大きく手を広げたような葉は艶やかで美しく、少し暗い場所で大きな白い花序は目立ちます。花は鞠のように丸く広がり、ピカピカ光る蜜をたたえた黄色い花盤には昆虫たちが群がります。

ヤツデの特徴

関東以西から沖縄までに分布するウコギ科ヤツデ属の常緑低木で日本固有種です。和風の庭の半日陰の植物として植えられますが海外では観葉植物として栽培されているそうです。学名ファテシア・ジャポニカ、別名テングノウチワ(天狗の団扇)。茎葉にはサポニンを含み有毒です。

ヤツデ

樹高2~5m。若い枝は緑色ですが、2年目以降は灰白色になります。枝分かれは殆どしません。

ヤツデの葉痕

葉が落ちた痕はU字型やV字型、12~15個の維管束痕があります。

ヤツデ

新葉は黄褐色。花序の脇から若葉をたくさん出します。展開したての頃は茎葉とも茶色の毛に包まれていて後に無毛になります。

ヤツデ

3つに分かれた葉。つやつやです。

ヤツデ

八手を見つけました。葉は互生、20~40cmと大きく艶があり厚手で掌状の円形、基部は浅い心形、先端が尖り、鋸歯があります。下の葉ほど葉柄が長くなります。8つに裂けることはほどんどなく中央から左右に裂けていくので奇数に裂けます。7、9裂が多いようで11のこともあります。

ヤツデ

花期は11~12月。5弁花を25輪ほどの付けた散形花序が集まり円錐形に更に大きな花序を作ります。香があります。頂部の方から開花し上部には両性花下部の小枝には雄花が付きます。雄花は雌しべが未発達のまま枯れます。雌雄同株の雄性先熟で遺伝的な多様性の為に自家受粉を回避します。

ヤツデの蕾

ヤツデの雄性期の花

雄性期の花

雄性期ー白い先端が尖った卵形の花弁が5枚、雄しべが5本、花柱は5本。

ヤツデの雄性期の花

花糸、葯は白色、花床の中央に成熟していない白色の5本の花柱があります。花盤の黄色の色が濃くなり、蜜が溢れています。

ヤツデ

そろそろ花弁が落ちそうです。葯は花粉を出し終わり、蜜もいったん止まりました。

ヤツデの雌性期の花

雌性期の花

花弁と雄しべが落ち雌性期の花になりました。花柱が伸びて広がり、再び花盤に密が溢れてきました。

花に来た昆虫たち

他の花が終わった頃に咲き、昆虫を沢山集めることができます。昆虫が動けるのは気温が10℃以上、最初はアブやハチが来ていましたが、10℃を下回るようになると体が黒く体温が維持しやすいハエが多くなります。

ヤツデにナミホシヒラタアブ

ナミホシヒラタアブ

ヤツデにセマダラハナバエ

ヤツデにセマダラハナバエ

ヤツデにキンバエ

キンバエ

ヤツデ

果実

ヤツデの若い果実

直径5mmほどの扁球形の液果で、先端に花柱が残っています。緑色→紫色→黒色と変化します。4~5月にかけて熟し中には扁平な楕円形の1個の種子が入っています。

ヤツデの果実

育て方

半日陰で湿り気のある場所を好みます。夏の直射日光は葉やけを起こします。植え付け、植え替えは4~5月、移植は可能ですが葉を少し落として行います。

増やし方
種蒔き(5月)や挿し木(7~8月)で。挿し穂は若い枝先の部分を10cm、下葉を落とし葉も半分ほどに切って使います。時期は。

病害虫
あまり心配はありません。カイガラムシが付くことがありますが取り除きます。そのままにしているとすす病になることがあります。

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