美しい葉と花の少ない時期に赤い実を楽しめることで人気ですが、植え込みなどで見かけるのは雌木ばかり。受粉は大丈夫なのでしょうか。クリーム色の実がなるシロノミノアオキや散り班、覆輪、中班などの斑入りや細葉などの多くの園芸品種が楽しめます。斑入りの葉の品種は少し明るいところに植えられています。
アオキの特徴
- アオキ科(前ミズキ科)アオキ属の常緑低木
- 分布 関東以西の本州、四国、九州、沖縄、朝鮮半島の照葉樹林や雑木林
- 日本原産
- 樹高 1~3m
- 花期 3~5月
- 雌雄異株
- 果期 12~5月
- 別名 アオキバ(青木葉)
葉
葉質は厚く両面とも無毛で深緑色で光沢があり、上部にまとまって対生に付きます。8~20cmの楕円形、先端は尖り基部は楔形、荒い鋸歯があります。乾燥すると黒くなります。
茎は鮮やかな緑色で茎でも光合成をします。アオキはこの緑色が数年続きます。アオキの名前はこの茎のきれいな緑色から名付けられました。
古くなると木質化して灰褐色になります。
花
花は枝先の円錐花序に穂状につきます。雌雄異株で雄花のほうが雌花より花序が大きくなります。
雌花
花径1cm、赤紫色の花弁は4枚、雄しべが退化してしています。緑色の部分は子房です。
雄花
白い花糸と黄色い葯をもつ雄しべが4本、中央に退化した柱頭があります。
↓ こんな色の雄花を見つけました
果実
果実が少なくなった冬にヒヨドリやツグミがやってきます。
果実は15~20mmの卵形長楕円形の核果です。若い果実は緑色で冬に赤く色づきます。外側の赤い部分が外果皮、内側に柔らかい薄い内果皮に包まれた大きな核が1個入っています。もちろん実がなるのは雌木だけです。雄木は「ばか」と呼ばれます。
虫こぶ
中途半端な熟し方をしている実はアオキミフクレフシと呼ばれる虫こぶです。アオキミタマバエが卵を産み付け、羽化する5月までこの中で成長します。鳥に食べられることもなく残るのでアオキオクレミと呼ばれます。