今、庭にはあちこちにノゲシ(野芥子)の花が咲いています。葉が躍動的です。
特徴
キク科ノゲシ属、原産はヨーロッパで、世界中に見られます。日本には中国から畑作の伝来とともに古くに帰化したようです。日当たりのよい道端や畑によく見かけます。和名はハルノノゲシ。
葉
ロゼッタで冬越しします。葉は不規則な鋸歯がありますが、優しい緑色で柔らかく、トゲトゲしていません。葉は柄がなく基部が張り出して茎を巻きこむように茎を抱きます。この葉の形や葉の付き方からケシの名が付きましたが、関係はありません。茎は空洞でかなり固くなります。上部には腺毛があります。色は緑色から紫色まで様々です。葉や茎を切ると白い液が出ます。
花
花期は4~7月。2cmほどの淡黄色、もしくは黄色の複数の舌状花を付けます。筒状花はありません。小さいですが、なかなかきれいな花です。
果実
果実は2mmほどの茶色の痩果.、縦脈、横皺があります。冠毛は白色で8mmほど。細かいワタの塊があちこちでにふわふわ飛んでいきます。
薬草
中国では薬草として扱われていて、老化防止や滋養強壮の効果があるそうです。若葉は苦みはありますが、食用にされます。天ぷらやサラダ、お浸しや和え物にされます。茹でこぼして水にさらして使います。健康茶として、全草を煮出して服用されます。
似た植物
オニノゲシ
1892年に東京で初めて確認されました。葉は濃緑色で光沢があり鋸歯の先は鋭いとげになっています。相当痛いそうです。葉が茎を抱き込むようについています。茎は空洞で紫がかっています。オニの名の通りノゲシに比べて大きく荒々しく環境適応力もあり高地にも生息しています。花の時期も長く、繁殖期間が長いことになります。
アイノノゲシ
ノゲシとの雑種です。個体差もあって判別はなかなか難しいようです。
アキノノゲシ
8月~12月にかけて咲くことからこの名前が付きました。似ているのは名前だけ。キク科アキノノゲシ属。花の色が黄色から白色薄紫色まであり、花びらの付き方も違います。苞の縁が濃紫色です。葉裏が薄い灰色で切れ込みもまばらで明らかに違います。春早くには若葉をレタスのように食べられるとか。ウサギのえさになるそうです。
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