アカボシゴマダラ
- チョウ目タテハチョウ科
- 分布 本州(関東地方)、奄美大島、中国、朝鮮半島、台湾、
- 大きさ 40~50mm
- 外来種
- 出現 5~10月
- 食草 幼虫はエノキ属の葉、成虫は樹液、果物の汁
- 年3回以上発生
- 越冬 幼虫
- 特定外来生物
幼虫
葉裏に1個づつ産みつけた卵は、透き通った緑色で縦筋が入ります。孵化した1齢幼虫は茶色い帽子をかぶったような頭部で刺があり、色は褐色、葉を食べるようになると緑色に変化します。2齢になると角が出現、3齢幼虫は顔に白い筋が3本。
越冬幼虫
越冬する幼虫は4齢の時に茶色になって枯葉や枝にくっつきます。緑だった体色がくすんだ茶褐色に変化しました。そろそろ越冬支度ですね。数日後、姿が見えなくなりました。
終齢幼虫
エノキの若葉に擬態しています。
結構大食漢、まだ小さなエノキの木はあっという間に丸裸。今年はあちこちで沢山の幼虫が見られました。春から夏にすぐ成虫になる幼虫は緑色、終齢幼虫は40mm前後。
立派な角を持ったこの顔、結構人気者。脱皮の時に脱ぎ捨てた頭部の抜け殻を見てみたいものです。
よく似た幼虫の違い
アカボシゴマダラの幼虫・・背中の黄色い三角形の突起は4列、上から3番目が大きい。尻が割れていない
ゴマダラチョウの幼虫・・背中の突起が3列、尻が2つに割れる
オオムラサキの幼虫・・背中の突起は4列でほぼ同じ大きさ、尻が2つに割れる
蛹になるまで
蛹
まるで葉のように見える蛹です。蛹になりたての時は緑色。
別の場所で見つけたアカボシゴマダラの蛹。時間がたつと硬く白くなっていきます。蛹は小さく揺れたり、時にはぶんぶんと動き回ることも。
成虫
サクランボの木にやって来た春型です。
黒地に翅脈を残して白い斑紋、夏型は後翅後部に鮮やかな赤色のU字型の斑紋があります。5月頃に出現する春型は、黒地部分が少なく全体的に白っぽく、赤色の斑紋は減退、もしくは消滅します。
ゴマダラチョウは複眼に瞳のような模様があります(偽瞳孔)。こちらを見ているようです。タテハチョウ科は前脚が退化して4本のように見えます。黄色い口吻が見えます。口吻は顎が進化したもので羽化した時にはまだくっ付いていなくて2本あります。これをチャックのように繋げていきます。右側にある白いのが出てきた蛹の抜け殻。
奄美大島にいる奄美亜種以外は特定外来生物に指定されています。現在、関東地方で見られるアカボシゴマダラは、中国大陸から移入された放蝶によるものとされています。分布は拡大されています。奄美大島、台湾の亜種は白化型が出現せず、奄美亜種は赤い斑紋が濃くD型になります。