都市部から山地まで、棚網を張って獲物を待つ、よく見られるクモです。
コクサグモ
- クモ目タナグモ科コクサグモ属
- 分布 北海道、本州、四国、九州
- 大きさ 10~12mm
- 出現期 6~10月
- 食べ物 昆虫
- 網 棚網
- 越冬 卵
15~30cmのシート状に糸を重ねた棚網を枝葉に水平に張り、トンネル状の巣へと繋がっています。この入り口付近に陣取って獲物を待ちます。奥には穴が開いています。棚網は上部に縦に不規則に糸が張られ、糸に引っ掛かって落ちた獲物を振動で感じ、入り口から出て捕獲し糸で絡めて巣に運び込みます。とても警戒心が強く、すぐ引っ込んでしまい、より危険を感じると巣の裏側から逃げ出します。よく似たクサグモの棚網は30~60cmと大きく、コクサグモより高い場所に張ります。
成体
やや細長い灰褐色のクモです。頭胸部は楕円形、中央を開けて2対の黒褐色の縦条があり、放射状の班で区切られます。腹部は前方が円く後部が尖り背面の黄茶褐色の斑紋は不明瞭で5~7対の八字型の淡褐色の斑紋が入ります。
9~11月に、樹皮や石垣などに薄い円盤状の白色の卵嚢を作ります。
幼体
卵で越冬したコクサグモは、3~4月に卵嚢から出て分散します。最初は真っ赤。
腹部背側後部にピンク色の斑紋があらわれます。