敷石の間から顔を出したヘビイチゴが広がり始めました。
ヘビイチゴの特徴
バラ科のキジムシロ属の多年草です。アジア南東部に日本全土に分布されています。
葉
茎は匍匐して広がり地面に付いたところから根を出して増えていきます。草丈5~10cm。葉は長い葉柄があり3出複葉で、1.5~2.5cm、基部に托葉があります。浅い緑色で艶はなく先は丸みを帯び浅い鋸歯です。
花
花期は3~5月。葉のわきから出た長い柄の先に直径1.5cmの黄色い花を1個咲かせます。花びらは鮮やかな黄色のハート形で5枚。雄しべは20個、葯は黄色。雌しべは多数あります。中央部が光っているように見えます。
果実
内側の蕚片は3~5mmの三角形で5枚。外側の蕚片は3~7mmで5枚、内蕚片より少し大きく垂れ下がっていきます。果実は肥大した花托で偽果と呼ばれるもの。直径1.2~1.5cm、光沢のないピンク色の花床に1mm程のそう果を沢山つけます。果実は表面にまばらに毛があり、隆起した皺があります。
全草は乾燥させて解熱、神経痛の生薬に使われます。ドクイチゴとも呼ばれますが毒はありません。美味しくはありませんが。
ヘビイチゴとヤブヘビイチゴの違い
ヘビイチゴとヤブヘビイチゴの違いは
ヘビイチゴ | ヤブヘビイチゴ | |
繁殖場所 | 日当たりのよい湿った所 | 半日蔭 |
葉の色 | 黄緑色、艶がない | 濃緑色、艶がある |
葉の形 | 先が丸い | 先が尖っている |
花期、花の大きさ | 3~5月、1,5cm | 4~6月、2cm |
蕚 | 外蕚片は内萼片より やや大きい |
外萼片は内蕚片より 著しく大きい |
花床 | 光沢がなく薄いピンク色 | 光沢があり鮮やかな赤色 |
果実 | 果実に皺がある | 果実には皺がない |
花と果実 | 花が一斉に咲き、花と果実は同時に見られない | 花は少しずつ咲き、花と果実が同時に見られる |
ヤブヘビイチゴ
葉
バラ科キジムシロ属の多年草です。東アジア、南アジア原産、本州から九州まで分布しています。草丈5~10cm、匍匐枝を出し根を出し広がります。20cmの長い葉柄を出し葉は3出複葉で基部に托葉があります。深緑色で艶があり小葉は楕円形で荒い鋸歯があります。
花は散発的につくので花と果実が同時に見られます。
花
花期は4~6月。花柄は3~6cm、先端に1個の黄色い花を付けます。内萼片は5枚の披針形、外萼片は葉状で2.5cm大きく5枚。花はヘビイチゴより大きく、花径2cm。雄しべは20本、葯は黄色で雌しべは多数あります。
果実
果実は直径1.5cm、花床は濃紅色で光沢があり1mmほどの粒状のそう果が付きます。
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