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ケシ科~ケマンソウ(鯛釣り草)

ケマンソウはちょっと変わった可愛い花。長い花茎にリズミカルに沢山並んでいます。

特徴

ケマンソウ(鯛釣り草)

ケシ科(ケマンソウ科)ケマンソウ属の落葉多年草です。中国、朝鮮半島原産で、日本には室町時代に帰化したといわれています。

ケマンソウ(鯛釣り草)の葉

葉は互生、だから牡丹に似ていて淡緑色で柔らかい2回の3出羽状の複葉です。全草、有毒です。特に根茎、葉にはビククリン、プロトピンを含み、誤食で嘔吐、下痢、呼吸不全、心臓麻痺などを起こすそうです。

ケマンソウ(鯛釣り草)

花期は4~6月。草丈は30~60cm。総状花序に長い花茎をアーチ状に伸ばして花を付けます。10~15輪ほどの花は規則的に片側に1列に並びます。花径は2~3cm。花色は上部が赤やピンク下側が白色のものや、白色一色のものなどがあります。水滴を纏っているようです。花径の基部から花が開いていきます。

ケマンソウ(鯛釣り草)の花

こんな風に変わっていきます。萼片は2枚、小さく早々に落下します。花弁は4枚。外花弁は2枚、下が尖ったハート型で袋状(距)になっています。内花弁は2枚、先が丸くなって雄しべと雌しべを包みこんでいます。

蜜腺と昆虫

ケマンソウ(鯛釣り草)の花

蜜腺が花の基部にあるので長い口を持った虫達がお客様です。内花弁は花粉を守るように閉じていますが虫達がぶら下がると先が開きます。

花が開ききると外花弁の先端がくるりと上を向きます。この様子がユーモラスです。くるっと上を向くことで内側に空間ができます。距に沿うように湾曲した長い花糸があり先に黄色い葯がついています。曲がった雄しべが長い口を蜜に誘導します。そして体に花粉が付きます。

果実

25~35mmの長楕円形の蒴果、中には2~8個の種子が入り、種子は3mmの円形で大きな種沈が付いています。

育て方

ゴボウのような太い根ですから植木鉢の時には深いものが必要です。9月には地上部が枯れ休眠期に入ります。暑さにはやや弱く西日を避け半日陰で育てます。耐寒性は高く氷点下の気温にも耐えます。春と秋に株分けで増やせます。差し芽をするなら春。比較的丈夫で虫も気にしなくていいようです。

名前

沢山の名前を持っています。

ケマンソウ(華鬘草) 華鬘とはお堂の装飾品のこと
タイツリソウ(鯛釣り草) 釣り竿に鯛が並んでいるみたいだから。
フジボタン(藤牡丹)
ケマンボタン(華鬘牡丹)
ヨウラクボタン(瓔珞牡丹)
キンチャクボタン(荷包牡丹) 中国での呼び名

英語名では 血を流す心臓フランス名では ジャネットの心臓ドイツ名では 涙を流す心臓

心臓に見えるとは!?!

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