少し薄暗い場所を明るく照らすような美しい蛾が翅を乾かしていました。
オオミズアオ
- チョウ目ヤママユガ科
- 分布 北海道、本州、四国、九州。朝鮮半島、中国、ロシア南東部
- 開帳 80~120mm
- 成虫出現期 4~5月、7~8月 年2化
- 幼虫の食草 バラ科、バラ科、ブナ科、カバノキ科、ミズキ科などの広葉樹の葉
- 完全変態
- 越冬 蛹
- 英名 ルナモス
成虫
羽化したばかりでしょうか、杭にしがみついています。まだ翅を閉じ気味。こんなに近くで見たのは初めて、大きい!
翅色は青白色から淡緑色。前翅前縁は止まった時は一直線になり、赤紫色に縁取られ目立ちます。前翅頂は丸みを帯び、前後翅縁は細かく波打ち、前後翅とも黄色い眼状紋があります。後翅には尾状突起があり、雄は雌よりわずかに長くなります。
体は青白色毛に覆われでもふもふ。前翅基部の間の背面は赤褐色です。ふっくらとしているので雌です。
触角は雌は両櫛歯状、雄は羽状。黄色い触覚と赤褐色の脚、黒い複眼と随分、はっきりとした色合いです。
成虫は口吻が退化し、何も摂りません。
少し角度が変わると透き通って見え、美しく儚い。
生態
成虫の命は1週間ほど。雌はフェロモンを出し雄を呼び、交尾して産卵し、短い命を終えます。
卵は2mmほどのやや扁平な球形、虎柄です。これは葉裏に8個産み付けられていましたが。
こちらは葉表に3個、他にも1個だけのもありました。
無事孵化できたようです。卵の内側が色鮮やかです。
幼虫
幼虫は黒っぽい色からオレンジ色に、3齢幼虫から緑色に。
終齢幼虫は70mm、胸脚が3対、腹脚が4対、尾脚は1対。茶色い顔にトゲトゲした突起を待ちますが、毒はありません。黄色い線にオレンジ色の紋が入り、疎らに白い長毛が生えています。突起の基部はオレンジ色、突起には黒い毛があります。
胸脚で頭頂側面に単眼が6個ずつ、複眼はありません。基部は黄色で葉を挟むようにあるのが触角。葉を挟み込んでいるのが上唇、その奥に歯があるらしい。
幼虫の落とし物です。
成熟すると茶色くなり、葉を綴って繭を作り蛹になります。