自然教育園 野草 雑草 植物の構造

サクラソウ科~カラタチバナ(唐橘)

大木の下のカラタチバナの実が艶やかで鮮やかな赤に染まりました。

カラタチバナ

カラタチバナ

東アジア、日本では関東以西から沖縄まで林床に自生する在来種でサクラソウ科ヤブコウジ属の常緑低木です。古典園芸植物で江戸時代には多くの品種が作られましたが、失われた品種も多いそうです。果実が白い「シロミタチバナ」黄色い「キミタチバナ」葉が捻じれて斑入りの「コクリュウニシキ」などの品種があります。

幹 葉

カラタチバナ

樹高20~70cm、樹皮は茶褐色で若い時には粒状の毛があります。幹はあまり分岐せず直立し匍匐枝を出します。葉は互生、幅1~4cm、長さ8~20cmの狭卵形から披針形で、先端が尖り、全縁に見えるほどの波状の浅い鋸歯があります。葉は鮮やかな緑色で光沢があり、やや厚みがあり両面とも無毛です。

カラタチバナの葉裏

葉裏です。葉縁には突起の腺点があります。

カラタチバナの花

花期7月。葉腋から散形花序を出しやや下向に10個ほどの白い花を付けます。萼、花冠とも5深裂し反り返ります。花被片の先端は尖り卵状楕円形で外側には腺点があります。花柄のピンク色が軽やかに美しい。、

カラタチバナの花

短い白色の花糸、黄色い内向した三角形の葯の雄しべは5本、その間から長く伸びた1本の雌しべの花柱は白く細く柱頭は点状。

果実

カラタチバナの若い果実

萼が反り返ってなんだか可愛い若い果実です。

カラタチバナの若い果実

果実は6~7mmの球形で5~6mmの扁球形の核が1個入っている核果です。

カラタチバナの果実

11月頃、艶やかに赤く熟します。鳥達から逃れられれば春まで残ります。種蒔きで増やせます。

縁起物

縁起物として正月に使われます。

億両 ツルシキミ ミカン科ミヤマシキミ属
万両 マンリョウ サクラソウ科ヤブコウジ属
千両 センリョウ センリョウ科クロランサス属
百両 カラタチバナ(唐橘)サクラソウ科ヤブコウジ属
十両 ヤブコウジ(藪柑子)サクラソウ科ヤブコウジ属
一両 アリドオシ(蟻通し)(有通し)アカネ科アリドオシ属 短枝が変化した刺がある。

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