地上に出てきたときには毛むくじゃら、むくっと伸びあがった時には破れ傘、花は地味でも沢山の昆虫たちを集めていました。柱頭のくるっと眼鏡が可愛い。
ヤブレガサの特徴
キク科ヤブレガサ属の多年草です。在来種で本州から九州に自生しています。別名キツネノカラカサ、ウサギノカサ、ヨメノカサ、カラカサクサ、みんな傘にちなんだ名前です。
葉
葉先を巻き込んで毛むくじゃら。最初は表面は白い絹毛に覆われています。開き始めの新芽は柔らかく天ぷらやおひたし、胡麻和えなどで食べられます。
葉を持ち上げると破れ傘のようになりました。
茎や葉裏には絹毛はありません。先の尖った鋸歯があります。
草丈60~120cm。10日ほどで完全に開き円形で30~50cmの大きさになります。基部は完全に茎を抱き掌状に7~9深裂しさらに2中裂することがあります。若い時にあった絹毛はなくなります。葉縁には尖った不揃いな鋸歯があります。若い株は 花茎を出さず根生葉1枚だけで栄養を蓄積していきます。株が充実すると花茎を出します。
花茎は直立し分岐せず互生に2~3個の茎葉を出します。冬には地上部は枯れます。斑入りのものあります。
花
花期7~10月。花茎は50~100cm、円錐花序には多数の両性花を付けます。花色は白色から淡紅色。
総苞は淡緑白色で1cmの円筒形、花径は8~10mm。頭花は10個ほどの小花からなり、舌状花はなく筒状花のみです。萼はなく子房の先に冠毛が多数ついています。冠毛の内側に花冠が伸び、その中央に花柱が伸びていきます。花被片は5裂し、茶褐色の葯は5つが合着して筒状になり、白い花柱を囲んでいます。柱頭は白色で2裂し反り返ります。
コマルハナバチが夢中です。沢山の虫たちがやってきました。
果実
受粉すると冠毛が伸びてきます。果実は長さ4mm、茶褐色で多数の縦皴があり、冠毛は白色の7mmで上向きの刺があります。
ヤブレガサキフクレズイフシ(破れ傘茎膨れ髄附子)、舌を噛みそうな名前ですがタケウチケブカミバエに寄生されるて出来た肥大した虫こぶのことです。
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